日本の人、モノ、土地などを表すデータは独特でプログラム上でそのまま扱いにくいものが多く、初見だと意図がよくわからず見逃してしまいやすい項目などもあります。この原因は恐らくそれぞれがデータとなるような制度を決めた時、プログラム上で扱うことが想定されなかったことにあります。多分どこの国でも似たような問題があると思います。それなりに長い年月が経ち、これらをシステム化しているところは多いですがフォーマットはまちまちです。政府相互運用性フレームワーク(以降GIF。この記事で動画の方のGIFは一切出てきません)はそういったデータを扱うための手引きとなる資料です。このフレームワークでは政府情報システムにおけるデータ構造の枠組みを定義しています。民間の個々のサービスの目的に合致しない部分もありますが日本という文脈の中で参考になる点が大いにあります。現在の GIFは GitHub 上で比較的読みやすく見やすくなっています。
GIF は次のリンクにまとまっています。
政府相互運用性フレームワーク(GIF)|デジタル庁
JDA-DM/GIF: Government Interoperability Framework
資料はそれなりに多く何かしらの学びにつながりやすいですが私的に特に直接的に使えるのは次の3つです。
GIF/430_コアデータモデル at main · JDA-DM/GIF
GIF/442_コアデータパーツ 住所(アドレス) at main · JDA-DM/GIF
GIF/464-2_APIテクニカルガイドブック at main · JDA-DM/GIF
コアデータモデルは人や建造物や場所についてのデータ構造が記されています。行政が用意してくれただけあり連絡、紹介、案内のような行政のサービスにとって不足のない項目がそろっています。これらを元にして使わない項目を削り作ろうとするシステムの目的に必要な項目を足せば、いい感じのデータ構造ができます。データの扱い方にもある程度ガイドラインが引かれており迷った時はその通りにしておくと後で困りにくいです。
コアデータパーツ 住所(アドレス)もデータモデルと似たようなものです。より広汎に使われるため独立している様です。複雑になりがちな住所の構造や規則についても詳しく説明されており地域単位の集計など構造が重要になる場合はたよりになります。
APIテクニカルガイドブックは名前の通り API を作る際の手引きです。使いやすい API とするためのよくある共通の名前、レスポンスの構造や個々の項目のフォーマット、より安全にするためのセキュリティと運用、より早く正確に開発するための方法などがそろっています。
直接これらをそのまま扱うのが最適な人は少ないでしょうが、日本の政府が出す日本のデータ構造というお墨付きがあります。補助金対応用の改修などきっちりしたデータが必要な場合は特に参考になります。