assertで想定外の動作のみを検知する

 デバッグを行う際、プログラム中の変数、式を追うことになります。この変数や式を全て画面に出力すると読む対象が多すぎてとても分かりにくいです。また徐々に異常な結果を辿って、変数や式をその都度画面に出力する場合、実行回数がかさみ時間がかかってしまいます。assert文は異常を発見した時にのみ知りたい変数や式を出力させるための文です。またこのassert文はユーザに見せる本番環境の際には消えている必要があります。assert文の実行は実行速度の低下であり、assert文の出力は脆弱性の発見のきっかけにもなります。
 大体のassert文はassert(条件文,出力定義の色々)という呼び出され方をします。条件文の評価結果がtrueの場合、出力はされず、falseの場合、出力がされます。assert(想定の動作の際の条件文, Errorの際に知ると役に立つであろう値)と書くと想定外の動作を整った情報と共に検出し、早く修正できます。かくあるべし、と意味を書く際のコメントの代わりにもなります。
Console.assert() – Web API インターフェイス | MDN
 javascriptのassetは次の様に使えます。

console.assert(条件式,出力したいものA,出力したいものB,出力したいものC,...)

 出力は次の画像のconsole.log(出力したいもの)と同じ様に表示されます。  javascritptでは外部でどうにかすることでassertを見せないようにします。一つは力技の様な気がしますが

Object.keys(console).forEach(key => {console[key] = () => {}})

の実行です。これによってブラウザの持つconsoleオブジェクトの持つ要素を全て空の関数で埋めます。これならば結果は表示せず、実行速度の面でもconsoleなしより少々遅いぐらいで済みます。ただしユーザはconsoleを使うためにconsoleの再定義が必要になり、また再定義された場合、consoleの中身が表示されてしまいます。もう一つはbabel-plugin-transform-remove-console – npmをつけたbabelのようなconsoleを除去するコンパイラを通すことによってコード内からassert文を消すことです。javascriptの実行コードはユーザがダウンロードするファイルです。そのため高速化を目的にソースコードを結合、圧縮します。その時にまとめてassertの除去を実行することで手間を意識せずassertを消せます。

PHP: assert – Manual
 PHPのassertは7前後で異なっています。PHP7では次のように簡単に書けます。

<?php
$a = 2;
$b = 1;
// assertionを作成
assert($a < $b);
assert($b < $a, '$b is less than $a.$a:'.$a.' $b:'.$b);
assert($a < $b, '$a is less than $b.$a:'.$a.' $b:'.$b);

実行結果

<br />
<b>Warning</b>:  assert(): assert($a &lt; $b) failed in <b>[...][...]</b> on line <b>5</b><br />
<br />
<b>Warning</b>:  assert(): $a is less than $b.$a:2 $b:1 failed in <b>[...][...]</b> on line <b>7</b><br />

 assert(条件式,出力文字列)とするだけです。出力文字列とassert文を記述した行数を出力してくれます。出力文字列を指定しない場合はfalseを出力した条件文を出力します。
 PHP7より前のバージョンではコールバックの指定が必要であり少々面倒です。

<?php
// assertを有効にし、出力を抑制する
assert_options(ASSERT_ACTIVE, 1);//assert()による評価を有効にする。0でassert()を読み飛ばす。
assert_options(ASSERT_WARNING, 0);
assert_options(ASSERT_QUIET_EVAL, 1);

// ハンドラ関数を作成する
function my_assert_handler($file, $line, $code, $desc = null)
{
    echo "Assertion failed at $file:$line: $code";
    if ($desc) {
        echo ": $desc";
    }
    echo "\n";
}

// コールバックを設定する
assert_options(ASSERT_CALLBACK, 'my_assert_handler');

// 失敗するassertionを作成
assert('2 < 1');
assert('2 < 1', 'Two is less than one');

実行結果

Assertion failed at [...][...]:21: 2 < 1
Assertion failed at [...][...]:22: 2 < 1: Two is less than one

 PHP7より前では必ず評価を行った状態を引数にしたコールバックを呼び出します。これが手間で昔のassert文はあまり使われなかったらしいです。PHP7はコールバック呼び出しも可能なまま、容易に使えるasset文になりました。
 PHPはオプションで宣言することによってassert文を読み飛ばします。PHP7ではphp.ini中にzend.assertions=-1とすることでassert文を読み飛ばせます。PHP7より前ではassert_options(ASSERT_ACTIVE, 0);とすることでassertによる評価を無効にします。

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