ある地点の地上からの高さを同じ物差しでできる限り正確に測るためにいくつかの高さの定義がされてきました。この記事ではそれらを紹介します。紹介する高さは楕円体高、ジオイド高、標高(海抜)です。
楕円体高は地球を純粋な楕円体として仮定した場合、地球楕円体と対象の地点との高さを表します。2018/08/15の日本ではGRS80地球楕円体を用いています。GNSSではWGS84地球楕円体を用いています。GRS80とWGS84のそれぞれが表現する地球はとても近く、同じものと扱っても大きな問題は起こりにくいです。GNSSの出力する高度はWGS84地球楕円体を用いた楕円体高です。GNSSを用いて現地点の地上からの標高を知るためには少し手間がかかります。
ジオイド高はジオイドの楕円体高です。ジオイドとは、海が地球を包み、海が重力の影響のみを受けていると仮定した時、その海面が落ち着いた時に成す面のことです。近年では高精度なGNSSを用いて測量を行うことでジオイド高が求められています。ジオイド測量の概要|国土地理院
標高はジオイドからある地点までの高さです。標高は海抜とも呼ばれます。
三者を図解すると次の図の様になります。
ジオイドとは|国土地理院から引用
GNSSが出力する高さは楕円体高です。このため標高を求めるためにはジオイド高が必要となります。日本各所のジオイド高は国土地理院が無償で提供してくれています。
ジオイド計算
ジオイド・モデルの提供|基盤地図情報ダウンロードサービス※要利用登録