気にになる記事が書かれていました。
人工衛星「みちびき」で米国頼みのGPS脱却なるか
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50336
元々はアメリカが軍事用に打ち上げた人工衛星を民間でも使えるようにしたのが、現在のGPSシステムである。そのため、民間で利用が許されているデータにおいては、10メートル程度以内の精度となっている。
また、現在アメリカが運用するGPSは31機あるが、世界中で共有しているため、各地点で一度に利用できるのは6機程度にとどまり、安定した測位に必要とされる8機以上という条件を満たすことができない状況にある。
このため、日本の都市部や山間部では高い建物や山などが障害となり、GPS信号が届かず誤差が生じたり、使えなかったりして、安定したサービスを受けられない状況が生じることがある。
今後、位置情報の応用領域が広がっていくにあたって、より安定したサービス提供が望まれる。そのとき、アメリカに頼った現状のシステムでは限界を超えることができない。日本の都合で衛星数を増やすなど柔軟な運用はできないからである。
この記事からですと
・GPSはアメリカの衛星で日本の思い通りにならない
・みちびきを使ってGPSを脱却し、日本の自由に衛星を運用したい
という風に見ることができ、見た人はこう思うでしょう。
「みちびきを使えばGPS(アメリカ)に頼らず誤差をGPS以上に少なくでき、安定したサービス提供ができる」
はっきり言ってそれは大間違い!
このような記事が乱立しているのが非常に残念です。
「測位の精度」と「安定したサービス提供」こちらの向上を目的とした場合にはGPS脱却などしてはいけないのです。
測位の精度に最も影響するものは障害物無しに補足できる衛星の数です。
GPSだろうとみちびきだろうと補足できる衛星の数が多ければ多い方が精度が上がります。みちびきは準天頂衛星なので日本の真上を通ります。
故に障害物に影響されにくいのもありますしみちびき独自の仕様で単体の精度はGPSよりも良いです。
ただ1~2基だけでセンチメール単位の測位ができるわけではないのです。
たとえみちびきが7基体制になったとしても補足できる数は2~3でしょう。
となるとやはりGPS(もしくは他の衛星)と組み合わせて補足するべきなのです。
日本独自の衛星があるという事は素晴らしい事です。
ただしみちびきだけで「測位の精度」と「安定したサービス提供」が確約されるわけではない事も記事に書いてほしい所です。
というか8基で安定って書いてあるのにGPS脱却って矛盾してますね・・・