突如発生した無線LANの電波が停止する怪現象。原因は気象レーダーとの電波干渉

会社で無線LAN経由でインターネットに接続していたところ、突如として無線LANの接続が不安定になる事態が発生。
自分のPCの調子がおかしいのかと思っていたら、周りの人も何人か同じ現象にあっていた模様でした。

ネットワーク担当の方に後で聞いたところ、原因は”気象レーダーの電波を無線LAN親機が検出したため”だとのこと。
日本で使用されている無線LANに対応した機器で、”IEEE802.11a”という規格に対応したものには、気象レーダーの電波を検知した際に、気象レーダーと同じチャネルの電波を自動で停波(別チャネルに自動切り替え)する機能(DFS)がついています。
これは日本国内統一で規定されていて、以下のルールで動作するようです。

・アクセスポイントは、起動後60秒間は電波を出さずに、気象レーダなどのレーダ波がないか確認しなければならない。
・レーダ波は6割以上の確率で検出できなければならない。
・レーダ波を検出した場合は、W52またはW53の他の空きチャネルに変更しなければならない。
・レーダ波を検出したチャネルに対しては、検出後30分間は電波の送出を行ってはならない。
・レーダ波を検出後、そのチャネルで通信していた子局は送信を10秒以内に停止する必要がある。
・上記の条件で送信を停止するまでの送信時間の合計は260ミリ秒以内でなければならない

今回はこれが原因で、無線LANのチャンネルが突然変更されてしまったために、通信が不安定になる現象が起きてしまったようです。

参考にしたサイトの一つのBuffalo社の記事では、室内で検出することは稀だと説明されていますが、別のサイトでは”どこでも受信してしまう可能性がある”という見解もでています。

世界標準11a Q&A集 – Buffalo

新5GHz帯と電波法関連の法改正について – 高速無線LAN情報局

最近引っ越した、11a対応の無線LANルーターを初めて買ったけど、どうも調子が悪い。
と感じている皆さんは、もしかすると電波干渉が原因かもしれません。

かつてなんでも有線でしか接続できなかった時代を考えれば、無線通信が普及してきて自由度が増したと感じていましたが、無線は無線でややこしい制約があるのですね…

安定性を考えると、やっぱり有線は最強なのかもしれない。

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※この記事は、以前自分が別サイトに投稿した記事を一部修正したものです。

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