高橋です。
最近安価になりつつあることで普及し始めたSSDですが、以前からHDDと比較して様々な弱点があるといわれていました。
その中でも、一時期特に話題になっていたのが書き換え可能回数の問題。
フラッシュメモリが出てきたときにもよく言われていましたが、NAND型メモリには一定の回数書き換えを行ってしまうと、データが記憶できなくなるという特性があります。
メーカーやものによって耐久度は違ってきますが、同じNAND型メモリを使うSSDもまた、例に漏れずこの制限が存在しています。
ただ最近は、この寿命を伸ばす技術が発達してきていて実用上で心配をしなくても大丈夫になってきたようです。
SSDにデータを書込みまくり再起不能に追い込む耐久試験で分かった信頼性に関する真実とは? – Gigazine
> 余力を十分残しつつもエラー発生の可能性を検知すると、ストップをかけて最も早く脱落したIntel 335でさえ、毎日10GBのデータ書き換えを行っても7万日つまり約190年もつという計算になるため、SSDの書き換え寿命を心配する必要はほとんどないことは確実です。
これでSSDの弱点は目立つところは”HDDと比べて高い”という部分だけになったと考えていたのですが、先日ある事実を知りました。
先にも書いたように、SSDにはNAND型メモリがよく使われているのですが、この前ふと気になってNAND型メモリについてWikipediaで調べていたら、気になる記述を発見しました。
NAND型フラッシュメモリ – Wikipedia
>浮遊ゲート内の電子は、浮遊ゲートを覆う絶縁体により保持されるため、電源を供給することなくデータを数年間程度保持することができる。
お分かりいただけただろうか…
それってつまり、逆に言ってしまうと、”非通電状態では数年間しかデータを保持できない可能性がある。”
ということではないのか…?
気になったのでさらにいろいろ調べてみました。
すると、下記のような説明をしているサイトを発見。
SSDの基礎知識でパソコン購入をガイド – パソ兄さん
> トンネル酸化膜の絶縁によって電子の放出を防いでいますが、長期間書き換え作業が行われないと自然放電が起き、データ化けの原因になります。
と説明されていました。
SSDは電子を放出させないようにすることでデータを保持していますが、長期間通電を行わないとこの電子が放出されてしまい、データが消失してしまうようです。
どれぐらいの期間放置するとデータが消失してしまうのかは議論が分かれるところですが、最小(最も保管条件が悪かった場合など)で”3か月”しかデータが保持できない可能性もあるという話があります。
『中古SSD 無通電時間が長いとデータが消えますか?』 – 価格.com
僕はSSDにこのような特性があったことを恥ずかしながら今回初めて知ったのですが、僕以外にも”SSDは使っていなければ半永久的にデータが保存できる”と、それとなく思っていた方は少なくないのではないかな、と思います。
OSをインストールして使うような使い方であれば、3か月も電源を入れないということは少ないとは思うのですが、データ保存用となるとあり得ない話ではないな…と思いました。
ただ、データ保管用に…と使わないときはSSDを外して保管している方も、中にはいらっしゃるかもしれません。
それ故に、
「大事なデータをバックアップしておいたはずが…なんてこった…」
なんてことになる可能性もゼロではないかもしれませんね。
SSDはあくまで”一時保管用”という意識を頭の片隅に置いておいて、大事なデータは光学ディスクなどのより長持ちするメディアに退避しておくのが一番のようです。
どのメディアにも適材適所があり、用途に合わせて使い分けないといけないんだな、と改めて感じました。
今後SSDを購入予定の方はお気を付けください。